キャッシングする前に知っておくべき金利のことを徹底解説!

カードローンやクレジットカードのキャッシング広告には、必ず「実質年率3.0%~18%」などのような金利の表記が載っています。

しかし、「金利ってよくわからない…」、「金利の計算方法が複雑すぎて…」と不安に思っている方はどうやら少なくないようです。

それでは、キャッシングサービスを申し込む際に注意しなければならない「金利」のことに詳しく解説していきます。

そもそも金利とは?

他人から借りたもの、お金は必ず返さなければならないものですね。

しかし、他人にものを借りるときに、「レンタル料は要らず、元本さえちゃんと返してくれればOKです」というような善人は、残念ながら世の中に非常に少ないです。

ほとんどの人はレンタル料をもらうことを前提にもの、お金を他人に貸しています。

キャッシング会社も商売をやっている上に、お客さんからもらっている「レンタル料=利息」で会社の利益を出しています。

その毎年の利息が占める元本の割合のことを「金利」と呼ぶわけで、計算式としては「年間の利息の総金額÷元本の金額」です。

仮に100万円を借りて、一年後に10万円の利息と100万円の元本を返すとすると、金利は「10万円÷100万円=10%」になります。

キャッシングの金利に上限あり

お金の貸主は貸した分のお金のレンタル料=利息をもらえるのですが、年間どれだけの利息がもらえるのでしょうか。

本来ならば、貸主と借主の間に合意さえあれば、どれだけ高くても、金利を自由に定めることはできますが、いわゆる「闇金」の被害が多発している状況を鑑みて、現実的に年間の金利には上限が法律に定められています。

金利を定める法律としては、「利息制限法」と「出資法」があって、それぞれに上限の金利を定めています。

それでは、その「法定上限金利」の仕組みをみていきましょう。

利息制限法が定める上限金利

利息制限法は、その名前の通りに、お金の貸借をする際の金利の上限を定めたものです。

利息制限法が定める上限金利は、銀行や消費者金融業者から借りても、個人から借りても一律に適用されるものなので、お金を借りる前に絶対一度確認しておいてください

年間の上限金利については、利息制限法は以下の通りに定めています。

金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分

引用利息制限法

つまり、年間上限金利は以下のようにまとめられます。

元金 上限金利
10万円未満 20%
10万円~100万円未満 18%
100万円以上 15%

ここで要注意なのは、利息制限法が定めているのはあくまでも上限金利なので、それより下回る場合はまったく問題ありません。

また、上限金利を超えても、超えた分の金利は無効になりますが、それに対する罰則は特にありません。

遅延損害金の金利について

約束通りにお金の返済ができなかったら、遅延損害金を請求することも可能ですが、それについても上限金利が定められています。

詳細は以下の通りです。

元金 金利
10万円未満 年間29.2%まで
10万円~100万円未満 年間26.28%まで
100万円以上 年間21.9まで

しかし、貸金業者の営利的金銭消費貸借の場合(イメージとしては銀行や消費者金融からお金を借りる場合)は、遅延損害金の金利は一律20%が上限になっています(利息制限法7条)

すなわち、返済が遅延しても、年間20%以上の遅延損害金が請求されることは違法です。

ちなみに、返済が遅れると、利息と遅延損害金両方同時に発生するのではなく、期日までに請求されるのは利息であり、返済が1日でも遅れると遅延損害金が請求されるわけです。

出資法が定める上限金利

出資法は、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」の略称であり、キャッシング業者と個人間のお金の貸借金利を定める法律です。

2010年出資法が改正される前に、業として金銭の貸付をする場合は、年間最大29.2%の金利が認められています。

利息制限法が年間最大20%の金利を規定していますが、任意性・書面性に満たす場合は、「グレーゾーン金利」として29.2%の金利が認められています。

ちなみに、最近話題になっている弁護士による「過払い金返還請求」は、主にこのグレーゾーン金利分の返還のことを指しています。

しかし、2010年出資法の改正によって、元金の金額に関わらず、年間金利の上限が一律20%まで引き下げられました

(前略)金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年二十パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。その貸付けに関し、当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。

引用出資法
さらに、以上のように、利息制限法に罰則が盛り込まれていないのに対して、出資法には、上限金利を超える金利設定は無効になるだけではなく、刑事罰の対象にもなっています。

そのため、キャッシング業者は基本的に最高でも18%の金利を設定しています。

合法的業者を選ぼう

以上のように、消費者金融各社は基本的に最高金利を18%を設定しており、銀行系なら15%前後が相場になっているようです。

しかし、以上の内容はあくまでも合法的なキャッシング会社に限った話で、いわゆる「闇金融」はその限りではありません。

「闇金融」については次章で詳しくお話ししますが、先に結論から述べますと、絶対に「闇金融」を使わず、お金に困るなら合法的なキャッシング業者を使いましょう

「闇金融」の怖さ

「闇金融」という言葉を一度でも耳にしたことはあるでしょう。

本来ならば、金銭の貸付を業とする者は、国または都道府県に貸金業として登録する必要がありますが、いわゆる「闇金融」はその登録を行わず、法外な金利を請求したり、人権無視の取り立てを行ったりする貸金業者のことを指しています。

「闇金融」によく見られる手口

闇金融の代表的な手口として、とんでもなく高い法外な金利設定と人権無視の取り立てがあげられます。

具体的に見ていきましょう。

「トイチ」など法外金利で利息請求

例えば、闇金融は金銭を貸し付ける際に、「トイチ」という金利を設定するケースがよくあります。

「トイチ」というのは、10日間につき一割の金利がつきます。

仮に10万円を10日間を借り入れるとすると、10日間後は11万円を返さなければなりません。

それほど高くは見えませんが、よく計算してみると、10日間につき一割という金利を年利に換算してみれば、なんと365%になります(単利計算の場合)。

つまり、もともとの借金額が10万円だったのに対して、一年後は36.5万円を返さなければならないわけです。

さらに、もし複利で計算すると、金利がなんと3142%で、10万円の借金は一年後314.2万円にまで膨らみます

それは絶対返せないほどの金額ですね。

取り立ては基本的に人権無視

万が一借金の返済が滞納すると、取り立ての手続きに入りますが、取り立てのやり方もまた法律に制限されています。

貸金業法によると、以下のように取り立てが取り締まられています。

  • 正当な理由なく、午後9時~午前8時に債務者に電話をかけたり、FAXを送ったり、自宅を訪問することは禁止
  • 正当な理由なく、債務者の勤務先やその他 自宅以外の場所へ電話をかけたり、FAXを送信したり、訪問したりすることは禁止
  • 債務者から、訪問に対して退去するように意思表示されたら、すぐ退去しなければならない
  • 張り紙や立て看板やその他の方法で債務者の借入れに関する事実や私生活に関する事実を債務者以外に明らかにしてはいけない

しかし、「闇金融」は都道府県に登録もしていなく、監督も受けていないため、当然の話ですが、度を超える取り立てをよく行います

早朝・深夜にも関わらず、しつこく電話をかけてきたり、電話にでると罵倒されたりするなど、平穏な生活が送れないほどの取り立てがよくあります。

「闇金融」を絶対に避けるべき

以上のように、一度でも「闇金融」に手を染めると、なかなか元の生活には戻れません。

もちろん、法外な金利に応じる必要もなく、度を超えた取り立てがあったら警察に通報してもよいですが、やはり自分自身の正常な生活に影響を与えないように、最初から闇金融を避けるようにしましょう。

キャッシング初心者に大手業者がおすすめ

「闇金融」についてお話ししてきましたが、無登録で貸金業を行う業者はもちろん違法ですが、なかには、国と都道府県に登録はしていながらも、違法な「闇金融」を行う業者もあるため、キャッシングサービスを利用する前によく調べておいた方がよいでしょう。

日本全国の合法的貸金業者は2018年7月末現在、1739社もありますが、そのほとんどがいわゆる「街金」と呼ばれている中小業者です。

もちろん、「街金」だかといって、必ずしも悪徳業者であるとは限りませんが、どの業者を利用すればよいのかを見極めることがなかなか難しいでしょう。

そのため、初めてキャッシングサービスを利用する方には、プロミスやアコムのような大手業者が絶対おすすめです。

大手業者の金利相場とは?

貸金業者は、大きく銀行系業者と消費者金融系業者に分けられることができます。

審査の難易度としては銀行系業者のほうが高いのですが、その分金利の設定が低めだったり、利用限度額が高かったり、借入総量規制の制限対象外になったりするなどのメリットがあります。

その一方、消費者金融系のキャッシングサービスは、基本的に上記の上限にまで金利が設定されていますが、その代わりに、審査に通りやすかったり、利用限度額が高かったり、申し込み手続きが便利だったりするなどのメリットがあります

それでは、銀行系と消費者金融系のキャッシングサービスそれぞれの金利相場をみていきましょう。

銀行系の場合

銀行系の場合は、金利が14~15%台が相場になっているようです。

代表的な業者と金利は下記の通りです。

業者名 金利 利用限度額
みずほ銀行カードローン 2.0%~14.0% 最大800万
三菱UFJ銀行カードローン 1.8%~14.6% 最大500万
三井住友銀行カードローン 4.0%~14.5% 最大800万
じぶん銀行じぶんローン 2.2%~17.5% 最大800万
横浜銀行カードローン 1.9%~14.6% 最大1,000万
楽天銀行スーパーローン 1.9%~14.5% 最大800万
オリックス銀行カードローン 1.7%~17.8% 最大800万

以上のように、銀行系のカードローンは基本的に金利を低めに設定しており、金利の高さに気になる方は銀行系キャッシングサービスを使ったほうがベターでしょう。

消費者金融系の場合

消費者金融系の場合は、上限金利の18%に限りなく設定しているケースがほとんどのようです。

代表的な業者と金利は下記の通りです。

業者名 金利 利用限度額
プロミス 4.5%~17.8% 最大500万
アコム 3.0%~18.0% 最大800万
SMBCモビット 3.0%~18.0% 最大800万
アイフル 4.5%~18.0% 最大500万
レイクALSA 4.5%~18.0% 最大500万

消費者金融系のキャッシングサービスは、高い金利を設定していますが、審査の早さと申し込みの便利さが誇れます。

消費者金融系は基本的に当日申し込み、当日審査が可能なため、急にお金が必要となる場合は非常に心強い存在になるでしょう。

クレジットカードキャッシングの場合

わざわざカードローンを申し込まなくても、手元にあるクレジットカードにもし、キャッシング枠があれば、クレジットカードのキャッシングサービスをそのまま使ってもよいでしょう。

代表的なカード名と金利は以下の通りです。

業者名 金利 利用限度額
三井住友VISAカード 15.0%~18.0% 5~300万
オリコカード 15.0%~18.0% 10~100万
楽天カード 18% 1~90万
エポスカード 18% 1~50万
イオンカード 7.8%~18.0% 1,000円~300万

クレジットカードキャッシングの金利設定は、消費者金融と大して変わらない程度ですが、クレジットカードキャッシングならではのメリットとして、VISAやMasterCardなどの国際ブランドがカードについているため、国内はもちろん、海外でも気軽にキャッシングサービスが利用できます

海外旅行は事前に両替せず、高額の現金を所持する必要もなく、手ぶらでいけて嬉しいですね。

まとめ

18%の金利はそれほど高く見えませんが、年間の利用額が高ければ高いほど、その分利息も高くなっていきます。

たとえば、年間累計100万円のキャッシングを利用すれば、利息はなんと18万円もあるので、何も考えずに安易にキャッシングに手を染めるのは危ない限りです。

キャッシング業者は商売をやる以上、金利をなるべく高めに設定しているのは当然の道理なので、キャッシングを申し込む前に必ず金利を確認するようにしていきましょう

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